私が和精油を好む理由

私は香りの世界を長く扱ってきたけれど、
いつの頃からか「華やかさ」より「寄り添う」ような香りに惹かれるようになった。
和精油には、風景がある。
そっと寄り添ってくれる優しさがある。
樹皮の渋み、葉の青さ、土の湿り気、朝露の透明さ。
そのすべてが、香りの中にそのまま息をしている。
黒文字の柔らかい甘さ。
檜の清らかな祈りのような静けさ。
柚子の明るさの奥にある、どこか懐かしいぬくもり。
それらは決して強く迫ってこない。
人が自ら整うのを手伝ってくれるかのような香り。
私の手がお客様の筋肉や皮膚に触れるより前に、
香りが心の扉を一枚、静かに開けてくれる。
わたしたちは忙しさの中で
感覚を置き去りにしがちだ。
和精油は思い出させてくれる。
「自分は自然の一部で、
呼吸する生き物で、
季節と同じリズムに揺れていい存在だということを」
香りが空間を満たすのではなく
心と身体の内側を柔らかく満たしていく、その瞬間が好き。
それが和精油を選ぶ理由である。
今日もサロンに和精油の香りが静かに香っている。
森が一滴、降りてきた。
サロンの香りを整えて、リズムーンでお待ちしています。
